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新聞の記事

2010年(平成22年)1月8日金曜日読売新聞東京版に掲載された記事です。
要望があったので、掲載させていただきます。


◆深沢高校 和太鼓部

「サー!」。大きなかけ声とともに、どどーんと和太鼓の音が響いた。
7日朝、世田谷区の都立深沢高校。冷え込んだ練習場に、和太鼓部の部員約20人が集まった。
一つの太鼓を3人で代わる代わる打つ「ぶちあわせ太鼓」。その激しさで、ケンカ太鼓の異名を取る。険しい表情でバチを打ち下ろし、太鼓の周りを跳ぶ。たちまち額に汗が浮かぶ。
1997年創立。全国大会の常連で、都内有数の強豪だ。
しかし、厳しい練習を重ねるのは、大会のためだけじゃない。
「深沢の太鼓を楽しみにしてくれている人たちのためです」
と部長の2年生、小竹輝(おたけひかる)(17)は言う。
◆中学時代、同高の和太鼓に魅せられて入部した小竹だったが、最初は部員とふざけ合ってばかりで、練習に身が入らなかった。1年の夏休み。合宿の最終日、あきる野市の特別養護老人ホームで合宿の成果を披露した。上級生と共に太鼓を響かせると、涙を浮かべるお年寄りがいた。「びっくりしたのかな」。心配になったが、お年寄りたちは「とっても良かったよ。また来年も来てね」と握手をしてくれた。「自分の太鼓を聞き、喜んでくれる人がいるんだ」。大きな太鼓を運んでくれる保護者。指導をしてくれるOBたち。たくさんの人たちに支えられていることにも気付いた。
地域の老人ホームや養護施設、学校などでの公演は年70回を超す。土日は毎週のように演奏だ。秋祭りへの出演が毎年の恒例になっている知的障害者の通所施設、千歳台福祉園(同区)の小島幸久施設長(62)は、「障害者の人たちも体を動かして楽しみ、毎年心待ちにしているんです」と言う。「大会に出る緊張感も良いけれど、喜んでくれる顔を見るのが一番うれしいし、身が引き締まる」小竹に引きずられるように、部員たちも練習に向かう姿勢が変わっていった。
◆OBでコーチの井野綾香(26)は、そんな彼らの変化を見て、かつての自分を重ねる。
 第1志望校でなく、周囲の「コギャル」たちにもなじめなかった。辞めたいと思うほど高校生活がつまらなかった。ところが、体育教諭で同部顧問の小藪和紀?(46?)に
「試しにたたいてみなよ」と太鼓を勧められ、心臓に響くような音のとりこになった。


 演奏で高齢者の施設を巡るうち、福祉の仕事にひかれ、専門学校に通って介護福祉士の資格を取った。
 大好きな祖母が亡くなった時は深沢高に行き、泣きながら太鼓をたたいた。
 「悲しい時もうれしい時も和太鼓の響きがいつもそばにある」と言う。
 後輩たちは練習が終わると、一気におしゃべりの花が咲き、騒がしいほどだ。「この元気が一つの方向に行けばいいのに」。ちょっとぼやきたくなるが、後輩たちの成長が楽
しみだ。和太鼓の響きが、きっと彼らのこれからの人生を助けてくれると信じているから。
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